SLAM(自己位置推定・マッピング)

ロボットにおける従来の自己位置推定手法には,ホイールオドメトリ,IMU(Inertial measurement unit) などの内界センサをもとにした手法や,人工衛星を利用したGNSS(Global Navigation Satellite System) という手法がありますが,これらは周囲の障害物の情報を得ることはできず自律移動を行うには機能不足です.また,内界センサには誤差が累積し時間経過とともに誤差が発散するという欠点があります.
また,GNSSには電波が直接かつ直線的にアンテナに入らない場合や,天頂付近に捉えている人工衛星の個数が少ない場合は,大きな誤差が発生したり計算が収束しないという欠点があります.

一方でSLAM(Simultaneous Localization and Mapping) は外界センサを用いて自己位置の推定と周囲の環境のマッピングを同時に行うものです.使用される外界センサはRGBカメラ,RGB-Dカメラ,LRF(Laser Range Finder)等が代表的です.これらの外界センサを用いて取得した周囲の環境の情報を用いて自己位置推定と周囲の環境のマッピングを行えるため,周囲の障害物の情報及び自己位置情報を周囲の環境に寄らずに安定して取得することが可能です.